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久々の更新となります。多忙につき、更新頻度が減っていることをお詫びします。
今回は、韓国の兵役制度に関して、久しぶりに書きます。以前に、このブログでは3回に渡って韓国の兵役制度に関して記事を書きましたが、今回は「徴兵逃れ」「兵役拒否」に焦点を当ててみたいと思います。 以前の記事で述べたように、現在に至るまで韓国では良心的兵役拒否は合法化されていません。そのため、年間約700人から800人が兵役法違反の罪で刑務所へ収監されています。 しかし、中には様々な方法で兵役を逃れることに成功している人物も少数存在しています。いくつかの例をご紹介いたします。 まず、最初にご紹介するのは、カナダ政府へ「亡命申請」した方に関してです。この方は、「同性愛」であると自称した上で、韓国軍は同性愛者に対するいじめが存在するため、また、良心的兵役拒否も認められていないためという理由で、カナダ政府へ亡命を申請したようです。 <情報源> 同性愛の兵役拒否者がカナダ亡命…韓国で初めて
http://japanese.joins.com/article/507/146507.html 次に、ご紹介するのは、留学と称してアメリカへ出国し、そのまま10年以上、韓国へ帰国せず、カナダの市民権を取得した韓国人男性の例です。下記の情報源によれば、1998年の時に、27歳で出国し、そのまま期限の2年間を過ぎても帰国せず、兵務庁の召集令状なども無視して、10年以上国外で過ごした後、カナダの市民権を得て、韓国籍を放棄したようです。ただし、韓国は現在、「兵役を満了しないと国籍離脱を認めない」などという法律があるため、カナダ側では既に「カナダ人」になっているものの、韓国側では「まだ韓国人のまま」という認識であり、先日、韓国へ帰国した際に兵役法違反で逮捕され、執行猶予付きの判決が下されたため、そのまま強制送還となるようです。 <情報源> 兵役逃れのため「外国人」になった男、国外追放へ http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/04/04/2014040401273.html このように、決して例が多いわけではありませんが、様々な方法で兵役を逃れている男性も少なからずいるようです。韓国のインターネット空間では、兵役逃れの手法などを議論すること自体が取り締まり対象とされており、また、兵役を経験した者からは激しい非難の対象となることもあり、あまり、議論が活発化されているとは言い難い状態です。しかし、それでも、良心的兵役拒否の合法化を求める市民団体が存在していることも事実です。 韓国以外と韓国とで決定的な違いは、韓国においては良心的兵役拒否を「ズルいこと」のように捉える社会通念、世論が形成されてしまっており、個人の人権の問題、良心の問題として考える雰囲気が醸成されていないことでしょう。従って、良心的兵役拒否を認めないことが「正義」になってしまっている状態に陥っています。この韓国社会の実情を見る限り、すぐに良心的兵役拒否が合法化される見込みは低いと考えざるを得ません。しばしば、ノ・ムヒョン大統領が政権を取っていた時代には良心的兵役拒否に関して議論がなされたこともありましたが、結局は「国民世論が認めない」という理由で先送りになったまま、現在に至っています。 韓国はパク・クネ大統領という女性大統領が誕生し、また、韓国人初の宇宙飛行士に女性が選出され、女性省という官庁も作られているなど、女性の社会進出が進んでいる国家となっています。その一方、男性には徴兵制という過酷な、生命すら失う場合がある義務を強制的に課させられており、韓国人男性の中には男性差別だと考える者も一定数存在しています。そのような絶望的な社会状況の中、誰からの支援も受けることが出来ず、一人孤独に国外へ脱出し、亡命申請をしたり、他国の国籍を取得するなどして、兵役を逃れる決断をした男性の個人としての精神力は凄いものがあると感じます。 PR |
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