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今回はトルコの兵役制度に関して解説します。
現在、トルコでは徴兵制が施行されており、男子に対してのみ課せられています。兵役期間は高卒以下の学歴の場合は15ヶ月であり、大卒以上の学歴の場合は「将校として12ヶ月」か「二等兵として6ヶ月」を選択できるようになっています。なお、トルコの国外に連続して3年以上居住している場合、3週間の軍事訓練と約5000ユーロの支払いで兵役免除となります。 良心的兵役拒否は合法化されておらず、トルコ軍に加わりたくないという意思を抱く思想の持ち主や少数民族のクルド人が裁判で有罪判決を受け、軍の刑務所に収監されています。そのため、ヨーロッパ評議会からトルコ政府に対して非難決議が出されています。また、トルコ国内でもジャーナリストが良心的兵役拒否権を認めない政府や軍の姿勢を非難して、逮捕されたりしています。過去には、兵役から逃れるために亡命目的で飛行機をハイジャックしてヨーロッパへ脱出した者も現れました。 トルコはEU加盟を国策にしており、加盟のために死刑制度を廃止にしました。現在、ヨーロッパ評議会やアムネスティから非難を受けている良心的兵役拒否権を認めていない問題も、将来、EU加盟の目的のために合法化へ進む可能性が無いとは言い切れません。ただし、トルコ軍はトルコ共和国の「国父」であるケマル・アタトゥルクの世俗主義の拠り所であり、脱イスラムと近代化を成し遂げた自負があるため、「神聖な兵役義務」を容易に手放そうとしない可能性もあり、楽観的に考えるのも危険でしょう。 ※参考サイト ・トルコ男性の試練 ・東京外国語大学 Project MEIS 「日本語で読む中東メディア」(News from the Middle East) http://www.tufs.ac.jp/common/prmeis/fs/ PR |
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